さらしもの。 | せーべさんのロヂウラな日々。

さらしもの。

先ほど会社の帰りに見てきた。見ようかどうしようか迷ったが、結局ハチ公口に降り立った。

これでもか、という位ピカピカの5001がそこにいた。
切断面には連結面妻板がキレイに切り継がれていた。
この仕上がりに、東急車輛の職人さんたちの思い、意地を感じた。ただただ涙するしかなかった。

でも、醜いとしかいいようがない。
本来完璧な状態で保存できるはずのものを、よりによってこんな場所にこんな状態で晒すなんて。

どうして醜いのか。
一日つらつら考えていた。

やはりそれは、この車が区長の浅ましい政治に利用されたことに尽きる。この区長は愚か者としか言いようが無い。
それに乗ってしまった東急も愚かである。余りにも。
一日経って、多少冷静にはなったが、やり場の無い怒りが収まったわけではない。

切り詰めて整備する予算は、恐らくこの車をまるごとそのまま整備して、線路を敷いて保存する予算額と大差無いだろう。
只でさえも人で溢れかえるこの場所に、場所塞ぎでしかないこんなものを置いて、一体どうするんだ。災害時に炊き出しの拠点か何かにはなるかも知れないが。

どうしてもこのような行為に及ぶなら、長津田に屯す8000系のほうが、未だましだったかも知れない。維持も楽だろうし。

じっくり眺める気にもなれず、足早に立ち去った。

最近は“グラフィティ”や“タンギング”の他に、フッ化水素でガラスを腐食させる“エッチング”という新手のマーキングが、渋谷辺りにも上陸している。
あのような目立つモノであれば、たちまち餌食になってしまうだろう。

数ヶ月と経たず変わり果ててしまうであろうことは、容易に想像がつく。
もはや写真も撮る気にもなれなかった。